中国語を音読するときは、ページを何周したかだけでなく、読み違えた音と、意味を取り違えた箇所を一つ見つけるつもりで読んでみましょう。文字を見て読めること、聞いた文を言い直せること、音声を追えることは、それぞれ分けて確認できます。
ここでは同じ短文を使い、音読・復唱・重ね読み・シャドーイングの操作を比べます。最初から四つを全部行わず、自分が確かめたいことに合う方法を選びます。
まず、何を言う文なのかを確かめる
操作の例には、次の一文を使います。実際にモデル音声と合わせる練習では、音声と本文がそろった手元の教材から、同じくらいの短い一文を選んでください。
我明天坐地铁去学校。
Wǒ míngtiān zuò dìtiě qù xuéxiào.
私は明日、地下鉄で学校へ行きます。
誰が=我、いつ=明天、交通手段=坐地铁、行き先=学校です。「地下鉄に行く」と解釈したり、明日を今日と取り違えたりしていないか、日本語でも説明してみましょう。地铁の読みが分からなければ、先に辞書や教材の見本で確かめます。
読む際は、我/明天/坐地铁/去学校のように意味のまとまりを意識できます。ただし、斜線のたびに長い間を入れる指示ではありません。区切って内容を確かめた後、自然につながる一文へ戻します。
同じ短文でも、聞く・見る・話す順番が違う
| 方法 | すること | 今回見るところ |
|---|---|---|
| 音読 | 文字を見て「我明天坐地铁去学校」と声に出す。 | 文字を音へ変えられるか。読み飛ばしがないか。 |
| 復唱・リピーティング | 見本を聞いて止め、聞いた一文を言い直す。 | 聞いた語と順番を保てるか。 |
| 重ね読み | 本文を見ながら、再生中の見本に自分の声を合わせる。 | 長さや語のつながりが見本とずれる箇所はどこか。 |
| シャドーイング | 流れる見本を少し遅れて追い、声に出す。 | どこで遅れるか。音だけを追って意味を見失っていないか。 |
重ね読みは音声に重ね、復唱は音声が止まってから言います。シャドーイングは見本が先へ進む間も追いかけるので、一文を丸ごと聞き終えてから言う復唱とは違います。まず操作を分けて試し、速さの競争にはしないでください。
教材によっては、文字を見ながら追う段階もシャドーイングの練習に含めます。名前だけで判断せず、「文字を見るか」「見本を止めるか」「同時か、遅れて言うか」を決めると、自分がした作業を比べられます。
一文を音読して、誤読を一つ直す
- 意味と読みを確認する:本文、ピンイン、訳、見本音声を照合する。
- 一度読んで残す:録音できる場所なら自分の声を録り、難しかった語に印を付ける。
- 一点を比べる:地铁の声調、学校の子音、語の抜けなど、今回見る箇所を一つに絞る。
- 短く直してから文へ戻る:その語だけ、前後を付けた部分、一文全体の順に読む。
- 意味を答える:文字を閉じて、いつ・何で・どこへ行く文だったか言う。
録音を聞き返しても違いが分からない場合は、正誤を勘で決めず、比較する部分を短くします。たとえば学校だけを見本と交互に聞きます。それでも判断しにくければ、「学校のxと声調を確かめたい」のように箇所を決めて質問すると、助言を受けやすくなります。
一つの語を直す途中では、少しゆっくり読んでも構いません。最後に一文へ戻り、単語ごとに途切れすぎていないかも確認します。滑らかに言えた回だけでなく、どの音を直したかを残すことが次回の手がかりです。
言えない理由に合わせて、方法を変える
文字を見ても読み方が分からないなら、速い音声へ重ねる前に読みを確認します。復唱で後半を忘れるなら、我明天と坐地铁去学校のように保持できる長さへ減らします。文を短くするのは、練習する内容をはっきりさせるためです。
重ね読みでずれる箇所は、遅れた場所からむやみに追い付こうとせず、一度止めて見本を聞きます。シャドーイングで毎回全文を失うなら、一文を復唱する段階へ戻しても構いません。音を追うことだけで終わったときは、意味を言い直す時間を足します。
意味を理解して読む音読と、初めての音声を理解する聞き取りは、別の課題でも確かめましょう。声に出せた一文だけで聞き取り全体を判断せず、リスニングの点検で別の短い音声も試せます。
一語を替えると、意味を保てたか分かる
練習した文が言えるようになったら、明天を今天へ替えてみます。音の並びを暗唱するだけでなく、予定を話す文として使えているかを確かめる作業です。
我今天坐地铁去学校。
Wǒ jīntiān zuò dìtiě qù xuéxiào.
私は今日、地下鉄で学校へ行きます。
次に、聞かれた部分だけを短く答えます。
你怎么去学校?
Nǐ zěnme qù xuéxiào?
どうやって学校へ行きますか。
我坐地铁去。
Wǒ zuò dìtiě qù.
地下鉄で行きます。
丸暗記した長い一文が出ても、問われた交通手段を選べないなら、質問と答えを一組に戻します。語順が気になるときは、基本語順も確認できます。
確認問題
- 「我明天坐地铁去学校。」は、いつ、何で、どこへ行く文ですか。
- 見本を止めてから同じ文を言うのは、復唱と重ね読みのどちらですか。
- 音声を追うのに精一杯で意味が分かりません。次にする確認を一つ挙げてください。
- 明日ではなく「今日」行く文へ変えてください。
答えと解説
- 明日、地下鉄で、学校へ行きます。
- 復唱です。重ね読みは再生中の見本に声を合わせます。
- 一度止め、本文と訳で意味を確認する、一文を短くして復唱するなど。分かった内容を自分の言葉で説明します。
- 我今天坐地铁去学校。
Wǒ jīntiān zuò dìtiě qù xuéxiào. 明天を今天へ替えます。
発音の仕組みはピンインと声調、予定や移動の返答は交通の会話でも練習できます。
参考資料
TUFS言語モジュール(東京外国語大学21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」)
