中国語の被・受け身の作り方|行為者の省略と否定を10例文で学ぶ

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「カップを割った人」より「割られたカップ」の話をしたい。そんなとき、中国語では被を使い、動作を受けた側を文の最初に置くことができます。誰に何をされ、その結果どうなったかを説明する形です。

日本語の受け身を全て被へ置き換えるのではなく、話の中心と、受けた影響を決めて使ってみましょう。物の破損から、名前の誤記、表彰や翻訳まで、場面を分けて練習します。

基本形:受け手+被+行為者+動詞句

受けた側+被+した人・原因+動詞+結果など

文頭に来るのは、動作をした人ではなく、影響を受けた人や物です。被の後ろに行為者を置き、その後で何が起きたかを述べます。行為者は人に限らず、風などの場合もあります。

例文は普通話・簡体字です。ピンインは元の声調で表記し、軽声には声調記号を付けません。

  1. 我的杯子被弟弟打破了。
    Wǒ de bēizi bèi dìdi dǎpò le.
    私のカップは弟に割られました。
    話の中心はカップです。弟弟が行為者、打破が割るという結果まで含む部分です。
  2. 桌上的纸被风吹走了。
    Zhuō shang de zhǐ bèi fēng chuīzǒu le.
    机の上の紙は風に吹き飛ばされました。
    人が行った動作でなくても、この形で原因を示せます。

誰がしたかを言わない文もある

行為者が分からない、または今は重要でないときは、被の直後に動詞句を続けられます。「被を使ったら、誰にされたかを必ず書く」と覚えなくても大丈夫です。

  1. 我的自行车被人骑走了。
    Wǒ de zìxíngchē bèi rén qízǒu le.
    私の自転車は誰かに乗っていかれました。
    人は、具体的に誰か分からない行為者を表しています。
  2. 那封邮件被删掉了。
    Nà fēng yóujiàn bèi shāndiào le.
    あのメールは削除されました。
    この文では行為者を述べていません。前後の文に説明がなければ、誰が削除したかまでは分かりません。

知らない行為者を人と置く方法と、行為者を省く方法を区別して読んでください。どちらでも、出来事の影響を受ける物は、前から話題になっているメールや自転車です。

被は「悪いこと専用」ではない

困った出来事でよく使われますが、好ましいことや中立的な出来事にも使われます。日本語訳に「される」があるかだけでなく、文の中で何を話題にしているかを見ましょう。

  1. 小李被老师表扬了。
    Xiǎo Lǐ bèi lǎoshī biǎoyáng le.
    李さんは先生に褒められました。
    授業でよくできた人について報告する場面です。褒められるという良い内容でも被が使えます。
  2. 这本小说被翻译成日语了。
    Zhè běn xiǎoshuō bèi fānyìchéng Rìyǔ le.
    この小説は日本語に翻訳されました。
    作品について説明する文で、翻訳者はこの文では示していません。

被を入れると必ず迷惑の意味になる、という覚え方は避けましょう。一方で、日常の全ての説明を受け身にする必要もありません。誰が何をしたかが話の中心なら、行為者を主語にする普通の文でも伝えられます。

動詞の後ろで、受けた影響を伝える

初めは、打破・吹走・删掉など、結果を含むまとまりで練習します。「受け手+被+人+動詞一字」だけを並べるより、何がどう変わったのかまで述べると、出来事が具体的になります。

何をされたか、どんな結果か
動詞句結果・内容対象の例
打破たたくなどして、割れた。カップ
写错書いた内容が間違っていた。名前
淋湿雨などにぬれて、湿った。本
吵醒音で眠りから起こされた。眠っていた人

表扬のように、それ自体で出来事の内容を表せる語もあります。全ての動詞へ同じ補語を足すのでなく、その語の用例と合わせて確かめてください。

否定の没・没有は、被より前

出来事が起きなかったことを言う場合は、没・没有を被の前に置きます。肯定文の完了を表す了は、そのまま残しません。不を使う習慣・一般的な説明などもありますが、まずは次の具体的な出来事の否定から始めます。

  1. 这扇门没有被打开。
    Zhè shàn mén méiyou bèi dǎkāi.
    このドアは開けられていません。
    点検したところ、ドアを開けた形跡がないという場面です。
  2. 我的书没被雨淋湿。
    Wǒ de shū méi bèi yǔ línshī.
    私の本は雨でぬれませんでした。
    雨の後に、かばんの中の本を確認して話す場面です。
  3. 我的名字被写错了。
    Wǒ de míngzi bèi xiěcuò le.
    私の名前は書き間違えられていました。
  4. 孩子被响声吵醒了。
    Háizi bèi xiǎngshēng chǎoxǐng le.
    子どもは物音で起こされました。

日本語から作るときは、話の中心を選ぶ

「弟がカップを割った」なら弟を、「私のカップが割られた」ならカップを話の中心にできます。同じ出来事でも、何について話すかが違います。被の文を作るときは、受け手、行為者、動詞句の三つを先にメモしてみましょう。

ただし、日本語の「してもらった」を、そのまま被へ替えるわけではありません。また、物の状態を言う文でも必ず被が必要とは限りません。文型を使うこと自体を目標にせず、伝えたい関係が合っているかを確かめてください。

確認問題

  1. 「我的杯子被弟弟打破了。」で、動作をした人と受けた物を答えてください。
  2. 「那封邮件被删掉了。」から、削除した人の名前は分かりますか。
  3. 「このドアは開けられていない」を、没有と被を使って言ってください。
  4. 「先生に褒められた」は良いことなので、被は使えませんか。
答えと解説
  1. 行為者は弟、受けた物は私のカップです。被の前後を区別します。
  2. この文だけでは分かりません。行為者を省いています。
  3. 这扇门没有被打开。
    Zhè shàn mén méiyou bèi dǎkāi.
  4. 使えます。例は小李被老师表扬了。
    Xiǎo Lǐ bèi lǎoshī biǎoyáng le.です。被を悪いこと専用とはしません。

否定は不・没の基本、物の持ち主を示す形は的の使い方、出来事の実現は了の基本で確認できます。

参考資料

TUFS言語モジュール(東京外国語大学21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」)

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