中国語の聞き流しを取り入れるなら、すでに意味を確かめた音声を聞き直し、後で一つ答えを確かめるところから始めてみましょう。「何時間流したか」に加え、「何を言っているか分かったか」を残すと、次の練習を選べます。
ここでは、通勤や家事の合間に聞く時間と、本文を開いて確かめる時間のつなぎ方を紹介します。初めての音声ばかりを増やすより、既知の音源と未知の音源を使い分けます。
既知の音源と、初めて聞く音源を分ける
このページでいう既知の音源は、単に何度も再生したものではありません。誰が何を話しているか説明でき、分からない語を本文や訳で確認したものです。曲のように音の並びを覚えていても、意味が取れない部分は確認する側へ戻します。
| 音源の状態 | 試すこと | 後で確かめること |
|---|---|---|
| 意味を確認した短い会話 | 本文を見ず、用件を思い浮かべて聞く。 | 時刻や数量など、一項目を答える。 |
| 初めてだが、知っている語が多い会話 | まず話題や登場人物をつかむ。 | 分かったことを本文・訳と照合する。 |
| 知らない語ばかりの番組 | 楽しむ時間と、調べる短い場面を分ける。 | 一文を調べても難しければ教材を替える。 |
初めての音声に触れること自体を避ける必要はありません。ただ、どこも分からないまま同じ番組を流し続けるなら、一文の意味を確認する時間も作ってください。偶然覚えた表現があっても、それだけで会話全体が分かったことにはなりません。
一つの会話から、聞く項目を選ぶ
次は練習の組み立て方を示す短い会話です。実際の聞き直しには、本文と訳を照合できる音声教材で同じ手順を試しましょう。
- 你明天几点出发?
Nǐ míngtiān jǐ diǎn chūfā?
明日は何時に出発しますか。 - 我八点出发。
Wǒ bā diǎn chūfā.
8時に出発します。 - 你坐地铁去吗?
Nǐ zuò dìtiě qù ma?
地下鉄で行きますか。 - 不,我坐公共汽车去。
Bù, wǒ zuò gōnggòngqìchē qù.
いいえ、バスで行きます。
「出発時刻」「交通手段」の二つを一度に書き取る必要はありません。最初は「何時か」だけ、次は「地下鉄かバスか」を聞きます。最後の文の不を取り落とすと、質問に出てきた地下鉄を、そのまま答えだと思うことがあります。知っている単語の数だけでなく、返答まで追えているかを見てください。
机で確認してから、合間の聞き直しへ
- まず一度聞く:本文を隠し、分かった時刻や用件だけをメモする。
- 本文と照合する:未知語、音の聞き違い、否定の見落としを一つずつ確認する。
- 一文へ戻る:分からなかった箇所を短く聞き、意味を説明してから会話全体へ戻る。
- 別の時間に聞き直す:本文を見ず、場面と返答を思い浮かべる。
- 落ち着ける場所で答える:決めておいた一問に答え、本文を開いて確認する。
机での確認を長くする必要はありません。「八点は分かったが、出发を知らなかった」と分かれば、出发の意味と音を確認して次へ進めます。反対に、文字を読んでも文の意味が取れなければ、音声だけを繰り返す前に語や文型を調べましょう。
本文を開いた状態では分かるのに、閉じると分からないこともあります。その場合は、文字の助けがある段階として記録し、同じ短い部分をもう一度聞きます。回数だけを先に決めず、答えを確認できたところで区切ってください。
時間がない日の、三行の記録
細かな学習日誌を毎回書かなくても、「音源」「今日の問い」「答えと次に見る箇所」があれば再開できます。たとえば「交通の会話/何で行く?/バス。不の後をもう一度聞く」という三行です。
再生したのに内容を思い出せなかった日は、聞いていた時間を失敗として消す必要はありません。次回の確認範囲を短くする材料にします。話者の声に慣れたのか、意味を追えたのかも分けると、同じ音源を続けるか判断しやすくなります。
確認の手順に迷ったら、中国語リスニングの練習ガイドで、音・語彙・文のどこへ戻るかを選べます。
覚えた会話と、初めての会話を比べる
同じ質問へすぐ答えられるようになったら、同じ程度の短い別音源を試します。前の会話の答えを覚えたことと、別の人が言う時刻を聞けることは、別々に点検できます。
新しい音源では、いきなり全部を理解する課題にしません。「時刻を一つ」「肯定か否定か」など、前と同じ種類の問いを使います。失敗した箇所が新しい語なら語彙へ、既知語なら音と文字の照合へ戻ります。
聞くだけの日も、休む日も選んでよい
音声を楽しむ時間に、毎回問題を付ける必要はありません。勉強としての手応えを見たいときに、短い確認を足す考え方です。集中できない日は新しい教材を増やさず、意味を知っている会話を一つ聞く方法もあります。
睡眠中の再生時間を、起きて内容を理解できた時間と同じには数えません。眠れないほど音が気になるなら、学習のために流し続ける必要もありません。歩行や運転など周囲への注意が必要な場面では、画面操作・書き取りは落ち着ける場所へ分けましょう。
確認問題
- 会話の例で、出発は何時ですか。
- 行く手段は地下鉄とバスのどちらですか。
- 本文を読んでも出发の意味が分からないとき、再生回数を増やす前に何を確認しますか。
- 覚えた会話に答えられました。初めての音声も聞けるか確かめるには、次に何をしますか。
答えと解説
- 8時です。八点を受け取ります。
- バスです。質問の地下鉄を、不で否定した後の公共汽车が答えです。
- 語の意味と使う位置を調べ、音と結び直します。出发は「出発する」です。
- 似た難度の別の短い会話で、時刻や交通手段など同じ種類の情報を答えられるか試します。
移動の表現は交通の会話、勉強全体の組み方は中国語の勉強法から確認できます。
参考資料
TUFS言語モジュール(東京外国語大学21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」)
