中国語の無料音声を探していると、動画もアプリも次々に見つかります。でも、聞いた後に答えを確かめられないと、「分かった気がする」で終わりがちです。初心者は、音声の数よりも本文と意味を照合できるかで一つ選んでみましょう。
ここでは普通話を学べる大学などの公開教材を、使える資料と学習段階で比べます。今日は一課だけ開き、聞く・確かめる・もう一度聞くところまで進めてください。
無料で使える中国語音声教材4つを比較
紹介したページは、登録手続きなしで本文や音声へのリンクを閲覧できます。慶應義塾大学出版会は音声の公開ページで、教科書の本文まで無料で読めるサービスではありません。
| 教材 | 本文・訳・ピンイン | 答えの確認 | 向いている段階 |
|---|---|---|---|
| 東京外国語大学・言語モジュール | 紹介する会話には中国語本文・日本語訳・ピンインがある。 | 会話本文と訳に戻れる。ここで紹介する会話は選択問題の解答集ではない。 | 短い日常会話を、一文ずつ確かめたい人。 |
| 関西大学のサーバーで公開されている発音教材 | 日本語説明とピンイン・音の選択肢。会話の対訳教材ではない。 | 見本の音と表記を照合できる。聞き取り問題の独立した解答一覧はない。 | 母音・声調など、音の違いを練習したい人。 |
| ミシガン州立大学・Elementary Chinese II | 中国語の会話本文、語彙のピンインと英語訳。会話全体の日本語訳・全文ピンインはない。 | 会話本文で照合。紹介する章に専用の解答集はない。 | 初級の語彙・文法を学び、英語の語注も使える人。 |
| 慶應義塾大学出版会・大学1年生のための中国語 | 公開ページは音声一覧。本文・訳・ピンインは手元の教科書で確認する。 | 練習の内容と解答の扱いは書籍で確認する。 | 対応する教科書を持ち、音声を探している人。 |
最初の一課は、東京外大の短い会話から
日本語訳を使って練習するなら、東京外国語大学「自己紹介する」を開いてみましょう。教室で初めて会う相手との会話で、一つずつの発話を文字と照合できます。
いきなり全部を覚えようとせず、相手の名前を聞いて答える一往復など、短い範囲を選びます。次の順序なら、読めたことと聞けたことを分けて確かめられます。
- 本文を見る前:ページの「まずは聞いてみよう」へ進み、誰と誰がどんな場面で話しているかを考える。
- 一往復に絞る:聞こえた語や、質問か返答かをメモする。分からない部分は空欄でよい。
- 文字で確認:「文字を見て、確認しよう」で中国語と日本語訳を見る。ピンインは音が結び付かなかった語に使う。
- 一文ずつ復唱:見本が終わった後に言う。口が追い付かない語は、前後を含めた短い部分へ戻る。
- 本文を閉じる:同じ一往復を聞き直し、誰が何を尋ね、どう答えたかを自分の言葉で説明する。
最後の説明は、日本語でかまいません。名前を聞く場面だと分かったのに、相手の名前を取り違えたなら、次は固有名詞を聞く練習に絞れます。「全部だめだった」とまとめる必要はありません。
音の違いが曖昧なら、関西大の発音教材へ
会話を読むと分かるのに、uとüなどを聞き分けにくいときは、関西大学で公開されている「単母音」を使います。「2-1」で見本を確かめ、「2-2」で選択肢の音を聞き分ける、という小さな往復ができます。
最初から母音と声調を同時に判定しようとせず、母音一つに注目してみましょう。選べなかった組は、見本を再度聞いてから試します。選択肢の順番を覚えるのでなく、どの音を手掛かりにしたかをメモすると、次に戻る場所が決まります。
なお、i・u・üが単独で音節になるときにはyi・wu・yuという綴りが出てきます。表記で迷ったらuとüの発音と綴りも確認してください。
初級を進めたら、英語の語注付き会話も選べる
ミシガン州立大学「Lesson 10 Dialogue 1」は、衣服を買う会話です。会話と単語の音声リンク、本文、語彙表、英語の文法説明があります。
最初は「どんな服を探しているか」「色をどう選ぶか」など、一つの用件を聞きます。英語の語注も難しければ、東京外大の日本語訳付き教材へ戻って大丈夫です。全文にピンインがある教材ではないので、ピンインだけを見ながら追う練習には向きません。
手元に『大学1年生のための中国語』がある方は、出版社の音声ページで版を合わせます。第1版・第2版の一覧を取り違えず、書籍の課と音声名を照合してください。音声だけを順番に流すより、いま学んでいる一課を選ぶと復習に使いやすくなります。
一課を終えたら、この3点を残す
- 本文なしで分かった内容:例「相手の名前を聞く場面」。
- 本文を見て初めて分かった箇所:知らない語か、知っている語の音か。
- 次回の一つの課題:例「名前を聞く一往復だけ、本文を閉じて確認する」。
同じ会話を覚えて聞けるようになったら、別の短い会話でも試します。復習した教材での理解と、初めて聞く内容の理解を別々に記録しましょう。教材を増やすのは、いま使う一課の照合を終えてからで十分です。
聞けない箇所に合わせて練習を選ぶなら中国語リスニングの勉強法へ。教材全体の進め方を決めたいときは中国語の独学の進め方が役立ちます。
参考資料
TUFS言語モジュール(東京外国語大学21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」)
発音教材の公開元:山崎直樹氏のサイト(関西大学サーバー掲載)。
参考図書:Wenying Zhou『Elementary Chinese II』(2022、Michigan State University Libraries)。原資料:CC BY-NC 4.0。
慶應義塾大学商学部中国語部会編著『大学1年生のための中国語』(慶應義塾大学出版会):出版社の音声案内。
- 東京外国語大学言語モジュール「自己紹介する」:学習ステップ、本文・日本語訳・ピンインと音声操作の説明。
- 関西大学公開教材「単母音」:見本と聞き取り課題。
- ミシガン州立大学 Elementary Chinese II, Lesson 10 Dialogue 1:会話・語彙・音声リンクの構成。
- 慶應義塾大学出版会『大学1年生のための中国語』音声ページ:版別・課別の音声一覧。
