「お茶が飲みたい」「お茶をお願いします」「明日は出かける予定です」。どれも自分の希望に関係しますが、伝えている内容は少しずつ違います。中国語の想と要は、希望を話すのか、具体的に選ぶのか、決まった行動を伝えるのかを考えながら使ってみましょう。
想は希望、要は意思や要求を伝えるときに
動作への希望を言う基本は「主語+想+動詞句」です。想はxiǎngと読み、「〜したい」という気持ちを伝えます。要はyàoと読み、何をするつもりか、何が欲しいかを、よりはっきり示すときによく使います。
ただし、想が必ず弱い希望で、要が必ず強い命令という意味ではありません。店で注文を決めたときにも要を使えますし、想を使った文でも内容次第では相手への大きな要求になります。単語一つで丁寧さを判定しないようにしましょう。
例文は普通話・簡体字です。ピンインは元調を基本とし、軽声には声調記号を付けません。
想+動詞で「〜したい」を言う
- 我想学汉语。
Wǒ xiǎng xué Hànyǔ.
私は中国語を勉強したいです。 - 你想吃什么?
Nǐ xiǎng chī shénme?
何を食べたいですか。 - 我不想吃面条。
Wǒ bù xiǎng chī miàntiáo.
私は麺を食べたくありません。
1の想は学汉语という動作にかかります。2は食べたい物が何かを尋ね、答えるときは什么の位置に料理名などを入れます。「したくない」は3の不想が基本です。単に行動しないことと、そうしたい気持ちがないことも区別できます。
まずは、学ぶ、食べる、見るなど知っている動詞を一つ選び、想の後に置いてみてください。否定にするときも動詞句全体を保ち、想の前へ不を置くと組み立てやすくなります。
要+名詞で、欲しい物や注文を伝える
- 我要一杯绿茶。
Wǒ yào yī bēi lǜchá.
緑茶を一杯お願いします。 - 我不要咖啡,我要茶。
Wǒ bù yào kāfēi, wǒ yào chá.
コーヒーはいりません。お茶をお願いします。 - 你要哪本书?
Nǐ yào nǎ běn shū?
どの本が欲しいですか。
4の要は、後ろに「一杯の緑茶」という名詞のまとまりを取っています。5の不要はコーヒーを受け取らない、注文しないという意味で、相手に「コーヒーを飲むな」と命じているわけではありません。何を要らないと言っているかを見るのがポイントです。
6では複数の候補から本を選びます。要の後ろが物の名前なのか、動作なのかを確かめると、意思・要求の中身が分かります。注文なら数と量詞も添え、選んだ物が伝わるようにしましょう。
要+動詞には、予定や必要を表す使い方もある
- 我明天要去上海。
Wǒ míngtiān yào qù Shànghǎi.
私は明日上海へ行く予定です。 - 明天要早起。
Míngtiān yào zǎo qǐ.
明日は早起きしなければなりません。
7は、明日の行動として決めていることを伝える例です。要を見たらいつでも「欲しい」と訳すと、意味が取りにくくなります。8は予定や事情を受けて、早起きする必要があるという意味です。要が表す意思と必要は、前後の話から判断します。
決まっていた予定を否定するなら、行かないという行動を不去などで伝えられます。予定の要の前へ機械的に不を足すと、「行かないで」という禁止などに受け取られることがあるため、何を否定したいのかを先に考えましょう。
不想・不要・不用は、三つの場面で比べる
- 请不要在这里打电话。
Qǐng bù yào zài zhèli dǎ diànhuà.
ここで電話をしないでください。 - 你不用等我。
Nǐ bù yòng děng wǒ.
私を待たなくてもよいです。
3の不想は「したい気持ちがない」、9の不要は相手に「しないで」と求める表現、10の不用は「する必要がない」です。不要は5のような物の拒否にも使えるので、すべてを禁止と決めつけません。一方、「待たなくてよい」と負担を外すなら、不用が役立ちます。
三つを日本語の「〜ない」だけで覚えるより、誰の希望か、誰への依頼か、何が不要なのかを確認しましょう。断る場面では、短い否定だけで終えず、必要に応じて谢谢や理由を添えると用件が伝わります。
想には「考える」「恋しく思う」もある
想の後ろがいつも動作とは限りません。問題を考える場合や、離れた人を思う場合にも使います。たとえば想家は家・故郷が恋しいこと、想一下は少し考えることです。まず「〜したい」で文を作る練習をし、別の意味に出会ったらまとまりごと覚えましょう。
不要・不用の不は、表記ではbùですが、発話では第四声の前でbúになります。一杯の一は元調のyīを示していますが、bēiの前ではyìです。我想のような第三声の連続も、一音ずつ同じ調子で伸ばさずに練習します。
練習問題
- 「私は麺を食べたくありません」:我[不想/不用]吃面条。どちらを選びますか。
- 「緑茶を一杯お願いします」を、要を使って言ってください。
- 相手に「ここで電話をしないでください」と頼むなら、不想・不要・不用のどれを使いますか。
- 「你不用等我。」は待つことの禁止ですか、それとも待つ必要がないという意味ですか。
答えと解説
- 不想。我不想吃面条。 Wǒ bù xiǎng chī miàntiáo. 食べたい気持ちがないことを表します。
- 我要一杯绿茶。 Wǒ yào yī bēi lǜchá.
- 不要。请不要在这里打电话。 Qǐng bù yào zài zhèli dǎ diànhuà.
- 待つ必要がないという意味です。「待たなくてもよい」と相手の負担を外しています。
注文のやり取りは飲食店の中国語へ。否定の使い分けは不と没の基本と合わせて復習できます。
参考資料
TUFS言語モジュール(東京外国語大学21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」)
参考図書:Wenying Zhou『Elementary Chinese I』(2022、Michigan State University Libraries)。原資料:CC BY-NC 4.0。
- 東京外国語大学:中国語文法「願望・義務を表す助動詞」
- ミシガン州立大学:Elementary Chinese I・Lesson 5 Dialogue 1(注文の要、物を断る不要、想の複数の意味)
- 同大学:Lesson 6 Dialogue 1(予定を表す要)
