「本は机の上」「鍵はかばんの中」。中国語では、桌子上・包里のように、物の名前の後ろへ位置を表す語を付けます。こうした位置や方向の語が方位詞です。身の回りの物を置き直しながら練習すると、言葉と場所を結び付けられます。
普通話・簡体字で、上・下・中、前後左右、そばや向かいを表す基本形を紹介します。在と有の文全体の違いは、在と有の使い分けと合わせて確かめましょう。
「机」だけでなく「机の上」と場所にする
桌子は机という物の名前で、桌子上はその机の上という場所です。単に「私の本は机にある」と日本語の語順を移すのではなく、在の後ろに場所を作ります。「我的书在桌子上」の桌子上までを、一つのまとまりとして読んでください。
- 书在桌子上。
Shū zài zhuōzi shang.
本は机の上にあります。 - 手机在包里。
Shǒujī zài bāo li.
携帯電話はかばんの中にあります。 - 椅子在桌子下面。
Yǐzi zài zhuōzi xiàmian.
椅子は机の下にあります。 - 教室里面有人。
Jiàoshì lǐmian yǒu rén.
教室の中に人がいます。
上・里は、机やかばんなどの後ろにそのまま付ける形がよく使われます。一方、下面・里面は二音節のまとまりです。「下に」「中に」と、その場所を単独で示す形にも使えます。
すべての場所に里を加えるわけではありません。北京・日本などの地名は、そのまま場所を表せます。学校・教室などは里があってもなくても使える場合があります。「物の名前には、どこに当たる部分かを添える」という基本から始めましょう。
前後左右と、そば・向かい
| 語 | ピンイン | 位置 |
|---|---|---|
| 前面/后面 | qiánmian/hòumian | 前/後ろ |
| 左边/右边 | zuǒbian/yòubian | 左/右 |
| 旁边 | pángbiān | そば・隣 |
| 对面 | duìmiàn | 向かい |
前面のmian、左边のbianなどは軽声で読みますが、旁边のbiānは第一声、对面のmiànは第四声です。「後ろに付く面・边はいつでも軽声」と広げすぎず、語ごとに読みを確認してください。
- 银行在学校前面。
Yínháng zài xuéxiào qiánmian.
銀行は学校の前にあります。 - 车站在学校后面。
Chēzhàn zài xuéxiào hòumian.
駅・停留所は学校の後ろにあります。 - 书店在银行旁边。
Shūdiàn zài yínháng pángbiān.
書店は銀行の隣にあります。 - 银行对面有一家书店。
Yínháng duìmiàn yǒu yī jiā shūdiàn.
銀行の向かいに書店が一軒あります。
何を基準にした前・後ろかを先に置きます。「学校の前」は学校前面、「銀行の向かい」は银行对面です。名詞と二音節の方位詞の間には的を置く形もあり、学校的前面などと言えます。まず本文の短い形でまとまりを覚えましょう。
建物の前後は、入口の向きなど、その建物をどう捉えるかにも関わります。左右も、相手と向かい合うと視点が変わります。場所を正確に伝えたい場面では、建物名や目印を添え、同じ地図を見ているか確かめると分かりやすくなります。
鍵の場所を尋ねる短い会話
A:我的钥匙在哪儿?
Wǒ de yàoshi zài nǎr?
私の鍵はどこですか?
B:在桌子上。
Zài zhuōzi shang.
机の上です。
A:在书旁边吗?
Zài shū pángbiān ma?
本のそばですか?
B:对,在书旁边。
Duì, zài shū pángbiān.
はい、本のそばです。
鍵の話だと分かっているので、返答では我的钥匙を繰り返さず、場所だけを答えています。日本語訳を隠し、どの物の、どの位置かを指で示しながら読んでみてください。
物を一つ動かして、文を作り直す
本・かばん・携帯電話など、三つの物を用意します。最初は机の上、次はかばんの中というように、一つだけ場所を変え、同じ文の位置の部分を替えて言ってみましょう。物の名前も位置も一度に全部替えるより、どの語が何を表すかを確かめやすくなります。
次に相手が質問する役になり、在哪儿で聞いて場所を答えます。一人なら質問を録音しておき、少し間を空けて答える練習もできます。正答を決めるときは、言葉と実際の配置が合っているかを確認しましょう。
練習問題
- 本が机の上にある文を、书/桌子上/在の三つで作ってください。
- 「かばんの中」は、包里・里包のどちらですか?
- 旁边の边は、この基本の読みでは軽声・第一声のどちらですか?
- 「北京にある」の在の後ろには、必ず北京里と書きますか?
答えと解説
- 书在桌子上。 Shū zài zhuōzi shang.
- 包里。基準になる物の後ろに里を置きます。
- 第一声です。pángbiānと読みます。
- いいえ。北京は地名としてそのまま場所を表せるので、在北京とします。
所在と存在の文は在・有の基本、移動する方向は道を尋ねる会話へ進めます。
参考資料
TUFS言語モジュール(東京外国語大学21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」)
- 東京外国語大学:中国語文法「方位詞」(単純・合成方位詞、軽声、名詞の場所性)
- 京都大学公開中国語教材:方位詞(名詞との組み合わせ、的、对面・旁边)
確認:2026年10月27日。
