7時に着いたことを「もう7時には着いた」と言うのか、「7時になってようやく着いた」と言うのか。中国語の就・才は、時刻だけでなく、話し手が何を予想していたかを見ると読み分けやすくなります。
就は常に早い、才は常に遅い、という一語の訳だけで全てを処理することはできません。ここでは時刻・所要時間・数量を分け、同じ数字でも見方が変わる例を確認します。
時刻の後ろの就・才で、予想との違いを伝える
就はjiù、才はcáiです。まず「主語+時刻+就/才+動詞句」という順を練習します。この位置では、就は予想より早い実現、才は遅い実現を表すのが基本です。
- 我今天七点就到教室了。
Wǒ jīntiān qī diǎn jiù dào jiàoshì le.
私は今日、7時にはもう教室に着きました。 - 我今天七点才到教室。
Wǒ jīntiān qī diǎn cái dào jiàoshì.
私は今日、7時になってようやく教室に着きました。
1なら、授業が9時からで、もっと遅く来ると思われていた場面などが考えられます。2なら、6時半に来るつもりだったのに遅れた場面です。同じ7時を比べているので、「朝の時刻なら就、夜の時刻なら才」という規則ではありません。
就や才を外して「7時に着く」とだけ言うと、早い・遅いという評価は弱まります。自分で文を作るときも、「何時だと思っていたのか」を一言添えると、どちらを選んだ理由かが確かめられます。
動作の長さも、短く済んだか・時間がかかったかを見る
- 他走了五分钟就到了。
Tā zǒule wǔ fēnzhōng jiù dào le.
彼は5分歩いただけで着きました。 - 他等了半个小时才上车。
Tā děngle bàn ge xiǎoshí cái shàng chē.
彼は30分待って、ようやく乗車しました。
3の五分钟は到着時刻ではなく、歩いた長さです。4も待った時間を示します。「5分は短い、30分は長い」と機械的に決めるのではなく、話し手がそれをどう受け止めているかを伝えます。
到着の例で了が使われても、才の文にはどんな用法でも了を付けられない、と広げないでください。とくに後で見る数量の才では、動詞直後の了を含む文があります。文末の了と動詞直後の了も、一律には扱いません。
才が数字の前にあると、「まだ・たった」の見方になる
- 现在才六点。
Xiànzài cái liù diǎn.
今はまだ6時です。 - 这支笔才八块钱。
Zhè zhī bǐ cái bā kuài qián.
このペンはたった8元です。
5の才は、6時になってやっと動作をした、という形ではありません。現在の時刻を「まだ6時」と見ています。6も8元という値段を少ないと捉える文で、到着が遅いという才とは、注目するところが違います。
| 形 | 今回の見方 |
|---|---|
| 七点+才+到 | 到着するのが遅い、と見る。 |
| 现在+才+六点 | 今の時刻はまだ6時、と見る。 |
| ペン+才+八块钱 | 値段が少ない・安い、と見る。 |
数字の大小だけでなく、数字が時刻か長さか値段か、就・才の前か後ろかを確認します。同じ才の字でも、訳を「やっと」へ固定すると5・6が不自然になります。
数量の前の就・才は、どちらも限定に使える
- 我就买了一本词典。
Wǒ jiù mǎile yī běn cídiǎn.
私は辞書を一冊買っただけです。 - 我才买了一本词典。
Wǒ cái mǎile yī běn cídiǎn.
私は辞書をまだ一冊しか買っていません。
7は、他の物も買ったか聞かれて「辞書一冊だけ」と限定する場面です。8は、何冊か買うつもりなのに、今のところ一冊だけで少ないという場面にできます。どちらも「だけ」を含む訳ですが、就と才が単純な反対ではない例です。
才には「たった今」という別の用法もあるため、8も文脈なしで一つの解釈に固定しません。この節では、購入数が思ったより少ないという条件で読みます。一語だけを選択させる問題を作るなら、その条件も必要です。
すぐすることや、次の動作を示す就
- 你先坐,我马上就来。
Nǐ xiān zuò, wǒ mǎshàng jiù lái.
先に座っていてください。すぐ行きます。 - 他到了,我们就出发。
Tā dào le, wǒmen jiù chūfā.
彼が着いたら、私たちは出発します。
9は近い時点での行動、10は前の出来事を受ける次の行動です。10の前半に了があっても、全体を過去の話と決める必要はありません。この例はこれからの出発を話し、彼の到着を先に満たす条件として置いています。
時刻の言い方を確かめたい方は時刻と時間の長さ、了の位置で迷った方は了の基本へ戻れます。まず「何を予想と比べたか」を説明してから、自分の時刻や数量へ替えてみましょう。
練習用のメモは「予想していた時刻/実際の時刻/どう受け止めたか」の三つに分けられます。たとえば予想9時・実際7時なら、1の就を選ぶ場面が作れます。実際の時刻を変えずに予想だけを早め、2の才を選ぶ場面も考えてください。数字の暗記ではなく、同じ出来事の見方を言い分ける練習です。
数量の例では、時刻用のメモをそのまま使わず、何個あるつもりだったか、他の物も含めるのかを書きます。7・8の辞書一冊をどう見るかも、その前提が分かると説明しやすくなります。
確認問題
- 9時だと思っていた相手が7時に着きました。七点[就/才]到のどちらで、早いと見る気持ちを表せますか。
- 「现在才六点。」の才は、到着が遅いという意味ですか。
- 8元を安いと捉えます。このペンについて、才を使って言ってください。
- 「我就买了一本词典。」に、必ず購入が遅かったという意味がありますか。
答えと解説
- 就。予想より早いと捉える今回の条件に合います。
- いいえ。「今はまだ6時」です。才の後ろの時刻に注目します。
- 这支笔才八块钱。 Zhè zhī bǐ cái bā kuài qián.
- ありません。この例の就は、買った物や量を「辞書一冊だけ」と限定しています。
