中国語の文法を勉強しようとして、項目の多さに止まってしまうことはありませんか。最初から一覧を全部覚えるより、短い文を一つ作り、否定する・質問する形へ変えるところから試してみましょう。読める項目と、自分で使える項目を分けると、戻る場所が見えてきます。
ここでは初心者・学び直しの方向けに、基本から進む学習順と、一回の勉強の手順を紹介します。すでに学んだ項目は飛ばして構いません。最後の4問を使い、今日の一項目を選んでください。
文法は「分かる・作る・使う」を一組に
解説を読んで納得しても、言いたい場面で文が出るとは限りません。「意味を説明する」「一語を替えて作る」「質問に答える」を一組にすると、どこまでできたか確かめられます。文法用語を覚えるだけでなく、その形で何を伝えるかも決めましょう。
例えば、否定を学ぶ回なら「飲まないと伝える」、疑問文なら「相手が何を飲むか尋ねる」が小さな目標になります。日常で使う一つの場面に絞れば、例文を大量に写さなくても始められます。
初心者が基本から進むための学習順
次は、単文から少しずつ情報を足す順序の例です。各段階の確認ができたら次へ進み、会話や読解で困ったら必要な項目へ戻ります。
| 段階 | まずできるようにすること | 学ぶ教材 |
|---|---|---|
| 1 文の土台 | 誰が何をするか、「~です」を言う。 | 基本語順・是・有・很 |
| 2 否定と質問 | しない・していないを分け、相手に尋ねる。 | 不と没/吗・呢・疑問詞 |
| 3 数・時・場所 | いくつ、いつ、どこかを足す。 | 数字と量詞/時刻と時間/在・有で場所と存在 |
| 4 名詞の説明 | 誰の物か、どんな物かを伝える。 | 的の基本/方位詞 |
| 5 動作の捉え方 | 進行、実現、変化、経験を文脈で読む。 | 在・正在/着/了/経験の过 |
| 6 気持ち・条件 | したいこと、できること、許可を話す。 | 想・要/会・能・可以 |
| 7 比較・範囲・詳しい説明 | 物を比べ、全員か一部かを区別する。 | 比/也・都/的・地・得 |
| 8 動作の結果・方向・可能性 | できあがった結果、動きの向き、実現できるかを伝える。 | 結果補語/方向補語/可能補語 |
| 9 文の組み立てと焦点 | 物がどうなったか、誰が何をされたか、いつ・どこで行ったかを示す。 | 把/被/是…的 |
| 10 繰り返しと予想 | もう一度の動作や、早い・遅いという気持ちを伝える。 | 再・又/就・才 |
| 11 文をつなぐ | 理由、予想と違うこと、条件を二つの節で伝える。 | 因为・所以/虽然・但是/如果・就 |
この順序を最後まで終えるまで話せない、ということではありません。自己紹介をしたい日は是、買い物なら数字と量詞のように、用事から選ぶこともできます。基本の文に慣れたら、段階8以降の補語や複文へ進めます。基本の一文へ戻れるようにしながら広げましょう。
一回の勉強を、短い文で実演
我喝茶。
Wǒ hē chá.
私はお茶を飲みます。
我が誰、喝が動作、茶が飲むものです。今日はこの文を、否定と質問に変えてみます。
- 形を読む:喝の前に不を置くと、飲まないという否定になる。
- 一度作る:答えを見ずに「私はお茶を飲みません」を言う。
- 本文と比べる:語順と読みを確かめる。誤りがあれば元の記入も残す。
- 場面を替える:自分が飲む別の物に替えて一文作る。
- 後で出し直す:解説を閉じ、別の作業を挟んで同じ問いに答える。
我不喝茶。
Wǒ bù hē chá.
私はお茶を飲みません。
你喝茶吗?
Nǐ hē chá ma?
お茶を飲みますか。
你喝什么?
Nǐ hē shénme?
何を飲みますか。
最後の文は、飲むものの位置を什么に替えています。このように内容を尋ねる疑問詞疑問文では、ここにさらに吗を足しません。「質問なら必ず吗」「日本語のですには全部是」と一つの規則を広げすぎないことも大切です。
情報を足す日は、一つずつ文へ戻す
基本の文が作れたら、今日は時間、次は場所というように足してみます。同じ動詞を使うと、増えた部分を見比べられます。
我今天在家看书。
Wǒ jīntiān zài jiā kàn shū.
私は今日、家で本を読みます。
我看书という土台に、今天と在家を足した例です。「いつ」を明日に替える、「どこ」を学校に替えるなど、一回に一箇所を変えます。時間や場所を足すたびに新しい文を丸暗記するのでなく、どの情報をどこへ置いたかを説明してみましょう。
説明はできるのに場面で言えなければ、「今日はどこで本を読む?」のような問いから答える練習へ移ります。反対に、文を見て誰の動作か分からないなら、長くする前に主語と動詞へ戻ります。
間違えたら、項目を増やす前に原因を選ぶ
解説を読めば直せるのに自分では出ないなら、答えを隠す練習をもう一回。語の意味が不明なら語彙へ、文の位置を取り違えたら語順へ戻ります。正しい文を見ても理由が分からなければ、同じ項目の基本例と比べます。
音読でつまずいた場合は、文法の誤りと発音の課題も分けてください。文の形は作れたが喝の音が曖昧、という記録なら、翌回することがはっきりします。
4問で、今日戻る教材を選ぶ
- 「私は学生です」を中国語で言ってください。
- 「私は昨日行きませんでした」を、中国語で言ってください。
- 「あなたは何を飲みますか」を中国語で尋ねてください。
- 「私は中国へ行ったことがあります」を中国語で言ってください。
解答と、戻る項目
- 我是学生。
Wǒ shì xuésheng.
是の位置に迷ったら段階1へ。 - 我昨天没去。
Wǒ zuótiān méi qù.
行くという出来事が起きなかった形です。没を使う否定に迷ったら段階2へ。 - 你喝什么?
Nǐ hē shénme?
何を尋ねるかと疑問詞の位置に迷ったら段階2へ。 - 我去过中国。
Wǒ qù guo Zhōngguó.
経験の过です。時を表す語や了との違いに迷ったら段階5へ。
4問の正答数で級や実力を判定するのではなく、次に確認する項目を選びます。別の自然な言い方もあります。
一つ選んだら、解説を読み、例文を一つ変え、閉じて答えるところまで行います。今日できたことと、次に見る一点だけを残せば、翌回は一覧を探し直すところから始めずに済みます。
いくつかの形をまとめて試したい方は、初級の文法練習20問へ。迷った問題の解説から、復習する項目を選べます。
勉強全体の配分は中国語の勉強法、覚えた形を返答に使う練習は会話の練習へ。
参考資料
TUFS言語モジュール(東京外国語大学21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」)
- 東京外国語大学・中国語文法モジュール、ステップ一覧:初級項目と学習コース。
- 同大学・動詞述語文、是構文、疑問詞疑問文、介詞、経験の过:語順と基本用法。
- Paul Nation:The principles of vocabulary learning:目的に合わせた想起と文脈での使用。
